反日感情のもう一つの源泉は、「中華思想」でした

排外運動に翻弄された日本

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さらに、反日感情のもう一つの源泉は、「中華思想」でした。これは、中国文明が世界の中心であり、そこから離れた遠い国ほど野蛮で、劣った国だという思想です。
つまり唯我独尊、独善的な思想なのですが、これにより民衆の中に、「日本や西欧諸国は中国より劣った野蛮な国だから、排斥すべきだ」という「排外運動」が起きるようになります。西洋人に対するテロや、焼き討ち、虐殺といった事件が多数起きました。

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 しかし、中国人のそうした排外運動は、やがて西洋人よりも、とくに日本人に対して向けられるようになります。どうしてでしょうか。それは、西洋が排外運動を強圧的に封じ込めたのに対し、日本はそれをしなかったからです。

 たとえば、一九二六年に「万県事件」というのがありました。長江一帯で、反英運動が広まるなか、イギリスの商船が中国側に拿捕されたのです。そのときイギリスは、砲艦二隻を派遣し、砲撃の末、町を徹底的に破壊しました。

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これにより、中国人はすっかり縮み上がってしまいました。その結果、反英運動もなくなったのです。これについて台湾の歴史家、黄文雄氏は、
自分のかなわない相手とみるや、とことん従順になるのが中国人の特性である
と語っています。中国人は、暴君として臨んだ西欧列強を、自分が勝てない相手とみるや従順になったのです。ところが以来、この民衆の排外エネルギーは、イギリスのような苛酷な措置をとらない日本にしぼられるようになります。
日本人も、イギリス人と同様、排外主義のターゲットにされ、テロをされたり、攻撃されたりしていました。しかし日本は、極力自重して、反撃をしませんでした。日本人は、何とか中国と友好関係を築こうと、忍耐強く平和的解決を努力したのです。

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幣原(しではら)外交」(幣原喜重郎外相)として知られる平和主義などです。
ところが、中国人は暴君には慣れていましたが、平和主義には慣れておらず、それを理解しませんでした。中国人は、そんな弱腰な友好的態度をとろうとする日本は、何か弱みを持っているからだろうと考えたのです。西洋は強いが、日本は弱いと。
また、日本の中国での行動は、暴虐な西洋諸国に比べると、あまりに誠実でした。たとえば北清事件の際、西欧列強の軍隊が占領した地域では住民への略奪、暴行、殺人が繰り返されていました。しかし日本軍の占領地域では、ほぼ完璧なまでに治安が維持され、住民の救済も周到に行なわれていました。

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日中戦争中も、飢饉や戦闘に巻き込まれて傷ついた中国の民間人を、日本軍は多数救済しています。救済された住民は日本に感謝しました。ところが、周囲の他の中国人は、そのような日本人の行動を理解せず、弱者にもやさしい日本人を侮り始めたのです。
これには中国人の特質が関係しています。日本には、「弱きを助け、強きをくじく」という伝統的美徳があります。ところが中国にはそういった観念はありません。中国では、強者はつねに弱者を虐げる者なのです。強者は弱者を助ける、という観念はありません
中国ではいつも暴君が上に立ち、民衆はそれに支配され、搾取されてきました。民衆は五〇〇〇年間、抑圧されて生きることしか知りません。ですから中国人は、弱者を助ける日本人や、暴力を受けてもなかなか反撃しない日本人をみたとき、その行動を理解せず、それは日本人に「弱み」があるからだと考えたのです。

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中国の文豪・魯迅(一八八一~一九三六年)は、中国人は、相手が弱いとみるや、その弱みにつけこむ民族だと嘆いています。たとえば呉越の戦いの物語に象徴されるように、相手の弱みをみると、それにつけこまなければ天罰が下るとさえ考える民族が、中国人なのです。黄文雄氏もこう述べています。


彼は、中国人は相手が弱いとみるや、
その弱みにつけこむ民族だと嘆いた

 「弱者にまで友好的な態度を取るとなれば、それはよほど無力であり、弱みがあるからだろうと解釈し、つけこんでくるのだ。

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これは有史以来、戦乱、飢饉の絶え間ない弱肉強食の世界で生きてきた中国人の生存本能がなせるわざだろう」
このように中国人は、西洋は強いので逆らっても勝てないが、日本は弱いから逆らえるとみたとき、西欧に対する排外主義を引っ込め、反日主義にしぼりました。つまり日本人の中国人への同情とやさしさが、かえって日本人への侮りと、反日運動を増長させる結果となったのです。
これは、日本人には理解できないことかもしれません。しかし、それほどに中国人と日本人は違うのです。

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中国人のこの性向は、今日も同じです。たとえば中国にとって、アメリカは昔も今も大きな敵です。しかし中国で反米主義は燃え上がりません。それは、アメリカには逆立ちしても勝てないからです。
けれども、日本には逆らえます。日本人は自虐的で、おどせば、すぐ謝るからです。ですから日本人が自虐的になればなるほど、中国は加虐的になってきます。こうして中国は、政府主導で反日主義を今も燃え上がらせるのです。そして国内の不満を外に向け、民衆の不満のガス抜きをしているわけです。

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